ロッキー 感動の嵐!ボクシング映画の金字塔

格闘技好きにはたまらない映画のご紹介

あらすじ

 全盛期を過ぎた30歳のボクサーであるロッキー・バルボア。わずかな報酬のために賭けボクシングのリングに上がる日々。鬱々とした毎日を送る彼だったが思いがけず大戦のチャンスが訪れる。怖気づいてしまうロッキーだったが、灰色の人生を変えるためにトレーナーのもとで過酷なトレーニングを開始する。そして自分の強さを証明するため、愛を掴むため、人生を取り戻すため、対戦相手アポロに立ち向かっていく。

見どころ

誰もがうまくいかない人生に不貞腐れてしまうことはあるだろう。まるで自分を見ているようで思わず目を背けたくなってしまう。しかし底辺から這い上がる逆転ストーリーほど痛快なものはない。自身を重ね合わせ、自己を奮い立たせるカンフル剤となるような「ロッキー」は公開から50年以上を経ても色褪せない名作である。

・シルベスター・スタローン…長く不遇な俳優生活を送りながらも、自身が脚本を手掛けた「ロッキー」で一躍有名になる。その後は「ロッキー」シリーズとして6作、「クリード チャンプを継ぐ男」とロッキー・バルボアを約40年に渡って演じ続けた。また「ロッキー」以外でも「ランボー」でベトナム帰還兵を演じ、アクション俳優としての地位を不動のものにした。2010年に公開された「エクスペンダブルズ」では監督、脚本、主演と奮闘しシリーズ化させるほど成功させている。
カール・ウェザース…スタローン同様、「ロッキー」でアポロ・クリードを演じ有名になった俳優である。ロッキー以降はアクションの枠に収まることなくSFやサスペンスにも挑戦している。

感想

何の希望もないような毎日の中で束の間心が安らぐのがエイドリアンと話す時。牛乳瓶の底のような眼鏡をかけてペットショップで働き、兄のポーリーと暮らす彼女は、恥ずかしさのあまりまともに男性と話すこともできない女性だった。やがて感謝祭の夜にロッキーにデートに連れ出され、結ばれることになるのだが、彼女の名を叫ぶラストシーンはあまりにも有名。
そして無敵のヘビー級王者として君臨し、無名の選手にチャンスを与える強敵、アポロ。この二人の存在があってこそ、「ロッキー」という映画に「人間くささ」という要素が組み込まれた。ロッキー、エイドリアン、アポロ、誰もが完全無欠のスーパースターではなく、打算もある、劣等感もあるただの人間だということ。アポロが無名のロッキーを大戦相手に指名したのが興行的なおもしろさを優先したからで、決してくすぶっているボクサーにチャンスを与えたいという寛大な心ではなかった。大きな成功は望んではいない、日常をただ淡々と生き続ける、そんな私達の心のどこかにある夢や希望を叶えたいという欲求。
ロッキーはその欲求を叶えるがために、目の前に転がってきたチャンスをがむしゃらに掴みにいった。そしてそのチャンスの火を消さないために必死であがいたのだ。壮絶な打ち合いの末、ボロボロに傷つきながらも最後までリングに立ち続ける姿。この映画のいいところはロッキーにアポロをKOさせなかったことだろう。ほらね、所詮これは映画だからと観客に言わせないためにはロッキーがアポロをKOするシーンは不要だし、ロッキーがアポロに判定負けするシーンもいらない。ただ不屈の精神で厳しいトレーニングを積み、最後のゴングが鳴るまで立ち続けるロッキーのシーンさえあればいい。ロッキーのサクセスストーリーとしてはあまりにも泥臭く、ドラマティックでもないが、だからこそ皆が共感し涙したのだろう。