燃えよドラゴン あらすじと感想 ブルス・リーの名作!

あらすじ

 少林寺の達人であるリーはかつて同じく少林寺で学んでいたハンが所有する島で行われる武術トーナメントに参加することになる。しかし、トーナメントの参加は表向きで、実際は国際情報局からの依頼でハンの島の内偵が目的だった。当初は渋っていたリーだったが、数年前にハンの手下オハラによって自害に追いつめられた妹の復讐のためトーナメント会場へと向かう。
武術トーナメントに参加する格闘家の中には借金のためマフィアに追われているローパー、警官を暴行して逃亡しているウィリアムズがいた。トーナメント会場で招待客を迎えるのは金髪美人のアーナと、ハンの弟子ボロ。ハンの島は要塞化されており、広大なコートでは大勢の男達が武術の訓練を行っていた。トーナメント前夜、リー、ローパー、そしてウィリアムズは徐々にハンに対する不信感を募らせる。祝宴が終わり、リーは夜を過ごす相手としてメイを選ぶ。実は彼女は先にハンの島に潜り込んでいた諜報員だった。メイはリーにハンに呼び出された女性が忽然と姿を消している事を伝える。
翌日、トーナメントがハンの号令により開始され、ウィリアムズとローパーが、それぞれ勝ち進んでいく。そしてリーの出番、相手は宿敵のオハラだった。リーはオハラを圧倒し打ち倒す。
その後、内偵を疑うハンにウィリアムズが呼び出され、金属の義手を持つハンになぶり殺しにされてしまう。次にハンに呼び出されたローパーは、島の地下にある阿片工場の内部を案内され、部下になる事を切り出される。答えを渋るローパーの目の前に待っていたのはウィリアムズの死体だった。我が身を守るためにはローパーは服従を誓うしかなかった。その夜リーは麻薬工場などの様々な犯罪の証拠を発見するがハンに捕まってしまう。
翌日、ローパーを待っていたのは囚われの身となったリーであった。怒り狂ったハンは手下にリーとローパーの殺害を命じ、必死で抵抗するリーとローパー。やがて義手を金属の爪に替えたハンとリーの一騎打ちとなる。

見どころ

ブルース・リーの数少ない出演作の4作目となるが、最後の作品である「死亡遊戯」は一旦撮影を中断してリーの死亡後に公開されたため、実質的に最後の主演作品ともいえる。「燃えよドラゴン」は世界中で大ヒットとなりカンフー・ブームを巻き起こすが、皮肉にもリーの死後だった。しかしカンフーの使い手として円熟味の増したリーの演技を堪能でき、全世界で今も愛されるのも頷ける作品である。

感想

・ブルース・リー…世界で鮮烈な印象を残した彼だが、出演作は少ない。「ドラゴン危機一髪」、「ドラゴン怒りの鉄拳」、「ドラゴンへの道」、そして「死亡遊戯」、「燃えよドラゴン」である。あまりにも突然の死であったため一部では陰謀論も、死因は脳浮腫と発表された。だが脳浮腫となった原因が不明であったため、新たな憶測を呼ぶこととなり香港で行われた死因究明裁判では「死因不明」とされた。

 後に香港映画を牽引するジャッキー・チェンやサモ・ハン・キンポーの兄貴のような存在で、香港映画の1980年代の繁栄の下地をつくった。単純に「燃えよドラゴン」の完成度でいえばストーリーは後の香港映画に脈々と引き継がれる復讐譚で、先の読める展開ではあるが、確実に1973年に世界中の観客を虜にした作品である。特に鏡の部屋は不安を煽るようなラストへと向かう最高の演出だ。そして、この作品が今も香港映画の原点と言われる要因はブルース・リーの魅力にあると言っていい。あの怪鳥音、あの表情、挑発するような冷めた目が小気味いい。そして目にも止まらぬとはこのことか、パンチ、キックどれをとっても他を圧倒している。彼には孤高のスターという表現があてはまる。媚びる素振りもなく、ただひたすらに正義を貫き、悪を倒す。そんなブルース・リーのカリスマ性に酔いしれることのできる作品だ。